
バイオテクノロジーを活用することによって、人間の身体に起こるとされているさまざまな疾患に対しては、遺伝子が間接的、または直接的に関係しているということがわかってきました。そこで、病気の原因となっている遺伝子を補うための遺伝子を体内に組み込むといった、遺伝子治療が考えられたのです。
この遺伝子治療について、世界で最初に行われたのは、1990年に、ADA欠乏症を伴う少女に対して行われました。リンパ球にADAという酵素がないために生じる病気なのですが、この治療法として採用されたのが、遺伝子療法です。
方法としては、患者の体内にADAを作る遺伝子を入れることによって、リンパ球の昨日を回復させようという方法でした。この遺伝子治療については、非常に大変な手術と思われるかもしれませんが、実際には少女の身体から採取しておいたリンパ球に、ADA遺伝子を組み込んだものを血液中に戻しただけで済むというものだったのです。
ですから、かかった時間は28分という短いものでした。このようなことがあってから、世界中で遺伝子治療の時代が始まったのです。当初の実験からは、遺伝子により作られるたんぱく質がなかったりすることで起こる先天性の病気が中心になっていました。その後、治療の対象はがんやエイズにまで広がっていっています。
アメリカなどでは、すでに50種類以上の病気において、遺伝子治療が認められているというのです。それでも、まだまだ発展途上のために、遺伝子治療の本当の効果がはっきりするのにはもう少し時間がかかると思われます。
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